石鎚山登山

私にとっての初登山は、子供の頃に家族で行った 宇和島市内→滑床渓谷だ。
寝起きの悪い私を母は「起きなさい。お弁当作ったよー。たまご焼きもあるよー。」と、食べ物でつれる単純な私は午前4時嫌々ながらも起きた。
私以外の両親妹達は支度ができており、不機嫌ながらも支度をする私でした。
5月のゴールデンウィーク、朝はまだ真っ暗。私は正直心の中では「 はー?登山!?うそやろっ!!! 」という感じで重たい体を動かし、だらだらと歩いて登山口まで行きました。 父は子供の頃よく登っていた様で、普段の服でしかも草履に片手にビールだったかな?
持ってなくてもう、飲んでいたのか?まーそんな感じの登山に行くような姿ではなかったということだ。
よく覚えているのは、末っ子の妹がまだ小さかったので父は途中おんぶや抱っこをしていました。
私は母よりも大きくなっていたので甘えることができず、ただただお弁当を楽しみにして歩いていました。
だんだん足が痛くなり、父が「ほらっ泣き坂ぞー!」、「これが笑い坂!」と、本当に足が笑って動きにくくても進まないといけないしで苦しかった。
自分の事で精一杯で他のみんなを気にする事なんかできなかった。
やっと登りがなくなり少し平地になったところで、楽しみにしていたお弁当の時間!ヤッター!おにぎり!たまご焼き!ウインナー!最高に美味しい。空気もいいし、森の中だから涼しくてとてもその瞬間幸せでした。
食べたらすぐにトイレに行きたくなる私は、親にすすめられたとおり〝そこら辺りで〟した。
それは先程の幸せ感よりも倍に感じた。すっきりした私はまた父が進む方向へひたすら歩く、歩く、登る、下る、何の不安もなくただただ父について行った。
滑床渓谷に近づいてきたのか、サルの鳴き声が「キッキー、キッキー」としていた。
滑床に着いたら、そこに遊びに来ているお客さんが沢山いてなんかほっとした様な感じだったと思う。
そこからは母の実家へバスで行き、到着すると祖父母達がびっくりしていました。それは歩いて来たことと、5人家族全員が汗だくで汚くて「はよ!お風呂入れー!」と怒っていたように思えた。
ゴールデンウィーク開けに担任の先生に「家族で登山をしました。」と伝えたら、先生は笑顔で「それはいい経験したね。」と言ってくれてとてもうれしかったのを覚えています。

そしてそれ以来30年以上、登山はしたことなく、家でのんびりが好きな私を主人がうまいこと導いてくれて、始めは〝垣生山〟へ登りました。そこまでは主人は走って、私は自転車で行き「頂上まで660m」と書いてあり、私は「なぁーんだ、すぐやん」と舐めており、登り始めるとすぐハァーハァーと息切ればかりで何回休んだ事か。
でも少しずつ、あと少し、あと少しと主人が先に行ってくれるので、頑張る事ができ頂上まで行けました。
そこからの景色はとてもよかったのですが、誰もいなかったので怖かったです。
数日後にスピーチで〝淡路ヶ峠〟を知り行ってみました。相変わらず買い物に行く様な姿で行ったので、急な登りは四つん這いで行っていると、下山の方が杖を2本持っていて、姿も「登山」という感じで自分で自分が笑えましたがなんとか頂上へ到着しました。そこからの景色も最高でした。

体力作り、気分転換になりました。翌日職場の方へ「行ってきたよー」と報告すると副院長先生に伝わり、私は調子にのって次は〝皿ヶ峰〟へ行って来ますと言ってしまいその通り行って来ました。
皿ヶ峰は上林から上がり〝風穴〟から登山しました。

その入り口に杖の様な木があったのでそれを使って登り、〝竜神平〟というところで少し休んで頂上へ登りました。
途中笹山だったのでヘビさんに出会いました。下山は来た道を行かず石鎚山が見える方から下りました。

すれ違った方がほとんど登りだったので、私たちは〝竜神平〟からは反対だった様でしたが無事に怪我もなく(下山時ドロドロの道で主人が滑ってしまいました。)帰ることができました。

翌日、私は副院長先生に報告しました。自分でも達成感と先生に宣言していたということだったからでしょうか、私は「〝皿ヶ峰〟行って来ました!次は〝石鎚山に行けたらいいなー〟」とあまり自分にプレッシャーにならない言葉でお伝えしました。が!! 私の頭の中は〝石鎚山〟でいっぱい♡
さすがに主人もそこは靴とポールを買って “ザ・登山姿” で行かんと危ないからと(自分が滑ったのもあったので)で、遂に行って来ました。石鎚山へ♡
スカイライン入口が7時開門なので5時30分自宅出発でちょうど良かったです。今回は息子も参加してくれて一番体力のない私に二人共々合わせてくれて土小屋から1982m頂上社まで歩きました。
初めてだったので鎖は諦めて、天狗岳も怖くて行けなかったです。ただ私は頂上の手前の所でくたばりお茶を飲んだり休んだりしてそこで止まった時が一番怖かったと主人が言っていました。
でもまた行きたいと思いました。

南予に住んでいた頃台風が来るたび強風で、松山に来てからはこの山に守られているんだなとしっかり拝んでお守りなども買って、頂上カレーライスも食べました。味は辛口でした。
下山はゆっくり景色を楽しみながら歩き、私は次は〝瓶ヶ森〟に行きたいと思いました。
そうです。本当なら今日は〝瓶ヶ森〟登山の予定でした。実は焦っていました。あまり寒くなると初心者は危ないからね。ですが、先日主人が半年程前から始めているマラソン中に転倒してしまい、傷だらけでは登山はダメでしょう。しばらくお休みです。ただ私の体力が落ちないように体を動かして体調を整えて晴天の日にまた登山できるのを楽しみにしています。
子供の頃の登山よりも歩きやすいし怖いところは少ないし、少し遅かったですが登山の喜びや達成感、パワーを頂けることが最高だと思える様になりました。

看護師 N.Y.

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