新型コロナウイルス肺炎によるクラスターを体験して

2021年1月17日。

職員一人が新型コロナウイルス陽性となったので、PCR検査を受けに来て下さい、と院長先生からの電話ですべては始まりました。

まずは夫と話ましたが、夫婦二人で小さな家で過ごしていることから、その時はその時、と覚悟を決めて検査に向かいました。

管理栄養士という仕事柄、手洗い・うがい・消毒の徹底や衛生管理にはコロナが騒動になる前から常に取り組んできました。それでも、いつ何が起こるかは分からない、と覚悟はしていたつもりですが、やはり動揺してしまいました。

初回の検査は職員・患者さんともに全員陰性、との事でほっと一安心したのもつかの間、恐れていたクラスター発生となりました。

夫にもクラスター発生を伝えましたが、夫の実家には高齢のお義母さん、兄弟がいるため普段通り二人で自宅にて過ごす、と決めました。検査もすでに二回受けて陰性であったこと。狭い自宅では隔離生活も出来ないことから、通常通りの生活を選択しました。手洗い・うがい・消毒の徹底とタオルなどは共有しない、これは以前からの習慣なので、本当に普段通り生活しました。結果、何事もなかったので本当に良かったと思います。

 

職務はと言うと、中予保健所の指導のもと、消毒等の徹底を行い、さらに通常よりも過敏なくらい衛生管理に力を入れました。この時、給食部では一名が怪我により休職中であり、いつもより手順も増え、時間もかかるこの状況で一名欠けていたのは、正直心が折れそうでした。それでも何とかやっていけたのは、他の部署の協力のおかげでした。いつもとは違う防護服、フェースシールド、マスク、手袋と装着するだけでも時間のかかる中、一人いないから大変でしょう、と本当によく協力していただきました。

不安と緊張で押しつぶされそうな毎日でしたが、沢山の方からご協力・お心遣いを頂きました。この困難な状況の中、みんなが協力しあい、一致団結していたからこそ二週間という短期間で押さえ込み完了を迎えることができたのだと思います。

本当に、他の部署の協力がなければ乗り越えることは出来なかったと思います。

 

今回のクラスター発生を経験してみて、病院の業務というのは他の部署との連携・協力があってこそなんだ、と改めて実感しました。

ニュースを見た友人たちからも沢山の励ましを頂きました。本当に色々な方に支えていただきました。ありがとう、という言葉しかありません。

 

私たちの業務である食事を提供するということは常にウイルス・菌との戦いです。新型コロナウイルス肺炎だけではありません。

今回、クラスター発生を経験してみて、改めて毎日の衛生管理の大切さを再認識できたと思います。

毎日地道に確実に衛生管理をしていくことが、何よりも大事なことです。

今後もいろんな事があると思います。でも、今回のこのクラスター発生を職員全員一丸となって乗り切ることができた、このことが大きな自信にもなったと思います。もちろん、もう二度と経験したくない辛い経験でしたが・・・

今後の管理栄養士人生において、大きな経験になったと思います。

他人事ではない。何が起きるかなんて誰にも分からない。改めて、今後の日々を衛生管理に努めて参りたいと思います。