院内クラスターを体験して

今までコロナウイルスに対して心配はしていましたが、都会で起こっている病気で自分や周りの人たちが感染することはないだろうと他人事のように思っていました。しかし、院内でも職員1名の感染が確認され、他人事ではないと思うようになりました。後日、別の職員1名の感染が確認され、全職員、患者さんのPCR検査を行いました。とは言っても、必要最低限の外出しかしていなかったのでまだ自分は大丈夫だと心の中では正直思っていました。しかし、検査結果が出るまでは、不安で夜もあまり眠れませんでした。PCR検査では、全職員、患者さんが陰性だったため、このまま終息するだろうと思っていましたが、数日後また別の職員1名の感染が確認され2回目のPCR検査で職員1名、患者さん3名の院内クラスターが発生しました。自分は陰性でしたが、リハビリを担当していた患者さんが感染しており、また感染が確認された職員の話では症状が全くなかったとのことなので、不安が一気に広がり、念のため、その日から妻と子供2人を隣に住んでいる両親の家へ避難させ、自分が今後感染したとしても家族が濃厚接触者にならないように自主隔離生活を始めました。しかし、自主隔離生活と言っても、洗濯やお風呂、トイレは別々になるため良かったのですが、料理が出来ないため、実家でご飯を作ってもらい、玄関まで届けてもらうと言う隔離とはあまり意味のない生活となってしまいました。隔離生活中は、生活リズムがそれぞれ違うため、両親、妻もそれぞれストレスが溜まる生活だった…と後で聞かされました。その後、3回目のPCR検査で全職員、患者さんの陰性が確認されたため、自主隔離生活を終了し、再び妻や子供たちと一緒に生活することとなりました。
仕事はと言うと、コロナの影響で患者さんと密に関わるリハビリも通常通り業務が行えなくなり、1月末ごろから事務所や病棟の手伝いを行っていましたが、他部署で働くことで、学生時代の実習を思い出し、新鮮な気分になりました。また、普段はすることのない仕事をすることでそれぞれの職種の仕事内容を少しは理解することが出来、とてもいい経験が出来たと前向きに考えています。事務所では、普段病院へ行った際、診察から会計まであまり混んでないのになぜ時間がかかるのだろうと疑問に思っていましたが、裏では思っていた以上の手続きがあり、時間がかかる理由がわかりました。そして病棟では、普段はリハビリの時しか関わりがないですが、ずっと病棟にいることで、患者さんの生活リズムや性格などリハビリの時には見せない顔を見ることも出来ました。さらに、院内緊急事態宣言が発令されたこともあり、患者さんも自由に部屋から出ることも出来ず、ストレスが溜まっているのも目に見えて分かり、リハビリも約2週間の間行っていなかったため体力の低下や認知面の低下も目立ち、改めてリハビリの大切さに気付かされました。
緊急事態宣言が発令され、少しずつ感染患者さんも減っては来ていますが、いつどこで感染するのか分からないことや、感染していても症状が出ない人がいるということが、今回の経験で改めて知ることが出来ました。今後も出来るだけ不要不急の外出を控え、病院や家族に迷惑のかからないよう生活していきたいと思います。また、自分が感染した時や濃厚接触者となってしまった時を想定してどのように生活すれば家族を守ることが出来るか、より詳細に考えていきたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました