2003年1月中旬のある日。
私は大阪梅田にある5つ星ホテルの部屋でお客様の部屋の掃除やベッドメイク、アメニティーやタオルの入れ替え等の作業をしていた。
当時大阪の言語聴覚士養成校に通っていた私は、そのホテルでアルバイトをしていた。
所属はハウスキーピング部。
お客様の部屋をお世話させていただく部門だ。
アルバイトを始めて2年近く経っていたため、自分で言うのもおこがましいのだが、仕事はテキパキ、お客様の対応もミスなくこなせるようになっていた。
5つ星のブランドを背負っているそのホテルではミスは許されない。
ホテルの上層部は、おそらくミスはしないだろうと判断し、VIP待遇のお客様の部屋のお世話も私に任せてくださるようになっていた。
その時任された部屋のお客様は連泊しており、お客様が外出中に作業に入った。
広い部屋なので2人がかりで作業をする。
U様というお客様のお部屋。
部屋の掃除、ベッドメイクを済ませ、浴室、トイレ掃除を行っている時、お客様が帰ってきた気配がした。
私たちは一旦作業を止め
「U様、お帰りなさいませ!」
っと、姿勢を正してお声をかけさせていただいた。
「テキトーでいいからね~^^テキトーで^^」
気さくに明るく答えてくださるU様……
っではない!
どっからどう見てもメジャーリーガーのS選手だ!(※当時)
ツバの長いカウボーイハット風の帽子にサングラス!
すごくセンス良く着こなしているシュッっとした服!
フワッと漂うとっても良い香り!
そして、何より オーラが凄い!
1月中旬のメジャーリーグはシーズンオフ。
オフ中は帰国してトレーニングしたりテレビ出演されたりしているのだろう。
そのホテルはテレビ局が近いため、テレビ出演をする芸能人、著名人の方々の御用達ホテルだったのだ。
とにかく同じ空間にS選手がいるという信じられない現実を一旦脇に置き、私たち庶民2人は目の前の仕事をするのみ!
なぜなら………
私たちに失敗は許されないのだから!
一通り部屋の掃除、補充等を終わらせ、掃除機で総仕上げをする段階に来た。
掃除機は音が鳴るし、お客様に移動を強いることになるため
「U様(※一応U様として接しなくてはいけないので敢えて言った)、掃除機をあてさせていただいてよろしいでしょうか?」
っと、許可を得ようと申し上げると
「いいよいいよ!テキトーでいいんだから^^それより、ありがとうね^^」
爽やかに断るS選手。
それに私たちにお礼までおっしゃってくださった。
丁重に頭を下げ、バックヤードに引っ込んだ。
そして…..
「S 選手やんなぁ!むっちゃかっこええなぁあああ!」
興奮の雄叫びを上げ、少しでもS選手と同じ空間を堪能できたことを喜ぶ庶民2人。
アルバイト中に芸能人、著名人の方々と接することは多かったため、そういった方々に接するのは慣れていたのだが、S選手は格が違った。
テレビやマスコミから伝わるS選手のイメージはズバリ
天 真 爛 漫
良いイメージだと思う。005
少ししか接していないが、イメージ通りの方だった。
いや、
イメージ以上に良い方!
それ以来S選手にはそれまで以上に好意的な目を向けるようになった。
先日そのS選手が47歳にして再びプロ野球選手になるため、チャレンジすることを表明した。(※2019年11月現在)
いろいろな話題を提供し、我々を楽しませてくださるS選手。
私の応援は大海の一滴にも満たないが、心から応援したいと思う。
さぁ、これを読まれている皆様も声を揃えて…….
頑 張 れ! S 選 手!
言語聴覚士 K.H.