「モネの庭」で村おこし?

高知県東部といえば、龍河洞とアンパンマンミュージアムが有名だが、奈半利川中流の北川村に 「モネの庭」 ができて20年になるそうです。

カーナビで松前町から200キロならすこし足を延ばした位かなと出かけてみました。

モネの庭 パンフレット

四国中央から大豊、南国インターを降りると、気温も初夏らしく眠くなった頃、やっとのこと太平洋の青波に気を取り直して到着です (自転車道もアルゼヨ!)。

岩崎弥太郎や中岡慎太郎の生家を示す標識は、明治の昔に国を興した人々のルーツを思い出させますが、今は過疎化で地域振興とは難しいものであるなと思います (津波浸水予想地域ニハ避難塔もアルゼヨ!) 。
モネの庭 パンフレット
閉園時刻がま近いためか、季節が睡蓮には早いためか、園内は客より庭師さんのほうが多い有様。でも緑の橋のパーゴラに白藤の薫り高く、池の水面に河骨の黄色が鮮やかで目に残したまま宿に向かいます。

谷間の山道、カーブは嫌いじゃないけれど北川村温泉ゆずの宿は遠かった。昨年の大雨で崩れた山肌が処々にあり、狭い道幅とダンプトラックにすれ違うのは距離感にも影響を与えるものですね。

北川村ゆず新聞

鄙びた温泉かと思いきや、できて一年もたたない宿はモネの庭と運営母体が一緒だそうで、なかなかのものでした。ここの圧巻は、時代を溯ったかのような河鹿ガエルの鳴き声。

カラカラㇻ コロコロㇿ ケロケロケロ ルロルロルㇿ ラルラル キロキロキロロロ

両生類が海から内水面に、川から地上に進出した太古を偲ばせる、生命樹の分岐を再体験したような夜でした。向こうの山際には木星とアンタレスが見え隠れして、宮沢賢治や草野心平も近くを歩いているんじゃないかとさえ妄想しました。

朝食前のひんやりとした散歩には、古びた鉄橋を渡り、やなせ杉を搬出したという鉄路を思いながら山道に入ってゆくと雪持ち草に迎えられました。
雪持ち草
天南星の苞に真白い付属体が可愛くてポケモンならぬこの妖精草が自生しているのは初見参。それから急坂を登って不動滝、でしたが紹介されていた磨崖仏は苔に埋もれて見つかりませんでした。

帰路は仁淀川から、四国八十八景に数えられた にこ淵 で仁淀ブルーを堪能しました。弁当片手に鎖を下って、明るい滝壺の美味しかったこと。

新寒風山トンネルの地底を抜けて、洗車して帰宅。

束の間の、命の洗濯でありました。

入園券

麻酔科医師 Y.S.
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