とある寺の庭で、皆に好かれる人よりも 皆を好きになれる人 という相田ﾐﾂｵ風の掲示を眼にした。
好意を人から受けるより、能動的に人を愛しなさいということか？その時はそれ以上考えなかった。
その後、深夜テレビで障碍者とＬＧＢＴの人たちが対談しラべリングされる生き難さを訴えていた。
ああこの人たちは、生まれた時から自分を好きになれなかったのではないか？皆を好きになれるには、
まず自分を愛することが出来なくては始まらないんだと納得した。
あの寺には、郷土出身の浜田泰介画伯の描く夜桜図があった。この季節には昔から流行病が多かった。
それを鎮めるために、奈良桜井の大神神社に花鎮めの奉納舞や京都祇園祭も行われたという。
今コロナウィルス禍で世界が揺れている時、我々は過保護なほどの環境に恵まれている。
戦乱の難民キャンプやそこで働く国境なき医師団のことを思うと、身を慎み欲望を捨てなければと思う。
憂さあれど いさ訪ね来よ 花の寺
世はコロナ 席巻すれど 花の雲
惜しからぬ 命再考 花鎮め
麻酔科医師 Ｙ.Ｓ.
